あらすじ
都内で会社員をしていた前島紬(まえしまつむぎ)は、勢いで会社を辞め、退職金で郊外に『長屋カフェ 縁(ゆかり)』を開いたものの、閑古鳥が鳴いていた。
ある日、庭先に倒れていたカラスを助けて水をやると、「ここは神域だ」と言われる。
カラスが喋る⁉︎と動揺した紬だったが、会話していくうちに彼に『黒助(くろすけ)』と名付けた。
黒助は「神域に住んだ人間に、害はなかったと報告してくる」と飛び去っていき、もう来てはくれないのか……と落ち込んだ紬。
翌日、第一号の客として訪れたのが、人間の姿になった黒助だった。
「ちょっと、休ませてくれ」
「え?」
羽を痛めたのだと言い、紬の家に居座る黒助。
初めは警戒していたものの、黒助の人柄と、連れてくる人々と接しているうちに、紬のトラウマが解けていく。そうして長屋カフェは、人間も人外も癒す、不思議なカフェへ変わっていった。
※ほっこりじんわり短編です。