あらすじ
中学一年生の七緒(ななお)は、何事もそつなくこなすが、自分には「色」がないと感じている平凡な女の子。
ある日、祖母の家の古い蔵で、息をのむほど美しいアンティークの万華鏡を見つける。それは、百年以上前に作られ、魂を宿した付喪神「百色眼鏡(ひゃくいろめがね)のチカ」だった。
気難しくも賢いチカとの不思議な交流を通じて、七緒は万華鏡作り――バラバラのかけらを集めて、自分だけの光の模様を紡ぎだす世界の魅力に引き込まれていく。
そんな中、七緒の前に現れたのは、AIで完璧な幾何学模様を生成する「ジェネラティブアート」の天才少年、蓮(れん)。「手作りの不完全なものに価値はない」と断言する蓮と、伝統工芸のコンテストで競うことになった七緒。
自分の「色」のなさに悩み、蓮の生み出す完璧なデジタルアートに圧倒される。勝利の鍵は、付喪神チカが持つ百年の記憶と、不揃いなガラスのかけら一つ一つに込められた「想い」の力。
七緒は、自分だけの色を見つけ出し、世界でたった一つの万華鏡を完成させることができるのか。伝統と革新、アナログとデジタルが交差する中で、少女の成長と絆を描く物語。