あらすじ
35歳の春。
夢も仕事も失い、今はひとり、小さなアパートで眠れぬ夜を過ごす日々。
そんな男のもとに、忘れかけていた“彼女の声”が届いたのは、壊れかけのMDプレーヤーと、一本のゲームの中だった。
橘慎一。
彼はかつて、大学時代に心から愛した人を、自らの不器用さで手放してしまった。
その後悔を胸に、自作のノベルゲームに思い出を綴る日々。
けれどある夜、ゲーム画面がバグを起こし──目覚めると、彼は20歳の春に戻っていた。
手にしたのは、未来の記憶と、ほんの少しの“やり直す勇気”。
スマホもSNSもない時代。
気持ちを伝えるには、目を見て、声で、たった一言を選ばなければならない。
彼女と、もう一度出会えるなら。
今度こそ、きちんと想いを伝えたい。
傷つけた過去も、見失った未来も越えて、彼女の隣に、もう一度立ちたい。
これは、たった一度だけ許された、
失恋をやり直す“セーブポイント”の物語。
切なさの中にやさしさが滲む、大人のタイムリープ・ラブストーリー。