あらすじ
元人気お笑い芸人のツッコミだった砂川努は二年前に相方を失くしたことでお笑いの世界から引退し、今は虚ろな日々を送っていた。
ある日、クライアントから預かったメッセージを、直接声で再生して届けるというメッセンジャーが砂川のもとを訪れる。甘木文彦と名乗ったその青年は、格好にも言動にも怪しさしかなかったが、彼から繰り出されるボケの数々に反射的に突っ込んでいるうちに、砂川はいつしか毎週日曜日の彼の訪問を楽しみにするようになる。
ボケてはいるが一生懸命な甘木の姿は、お笑いに命をかけていた相方の姿と重なり、砂川は甘木に親しみを感じるようになる。同時に、一度は失ったお笑いへの情熱が、再び砂川の心に沸きあがり始める。
そして十月に入って最初の日曜日、クライアントからの最後のメッセージを再生するために甘木はやってきた。その日は奇しくも相方の命日と重なっていた――。