あらすじ
舞台は、長い間使われなくなった山中の貯水ダム。
大学で民俗学を学ぶ主人公・水野遥(みずの はるか)は、「ダム湖に棲む水神信仰」に関する卒論調査のため、地元でダムが建設された当時に沈んだ集落“蓮影(れんえい)村”の伝承を追う。
調査チームは、遥を含む4人──
・遥(民俗学オタク気質、観察力が鋭い)
・武田(幽霊とか絶対信じない理屈派の同期)
・千夏(ちょっと霊感があるらしい軽口系の友人)
・槇原(教授の助手、無口で何かを隠している風)
現地での聞き取り調査、地元民の証言、古びた資料の中に現れる「水鏡さま」の名前。
“鏡のように静かな水面に、人の姿を映し、その者を“裏返す””。
そして、ある満月の夜、「湖底から女の声が聞こえる」と千夏が言い出す。
夜ごと仲間が幻覚にとらわれ、水辺へ吸い寄せられる。
ダム湖の周囲には、かつて沈んだ村の“石段”が満ち欠けとともに現れるのだった。
遥は気づく。
蓮影村には本当に「水神」はいた。
ただしそれは“祀られていた”のではなく、“封じられていた”のだと。