あらすじ
「最初、れんさんと話すようになったとき……俺、なんか……嬉しかった」
「うん」
「でもそれは……たぶん、俺も、ずっといじめられてたから。れんさんのことを、勝手に“仲間”だって思ってた。……こんなこと言うの、変だけど」
「変じゃないよ」
れんはそう言って、小さく首を横に振った。太一くんの言葉は、少しずつれんの心の深いところに触れてきていた。
「でも、それから……なんていうか。れんさんと、一緒に電車に乗ったり、境内で話したり、勉強したり……。そういう時間が増えるたびに」
「うん……」
「いつの間にか、ただの“仲間”とかじゃなくなってた。れんさんのことを考える時間が、すごく増えてて……」
顔を赤らめながらも、太一くんははっきりと言った。
「……気づいたら、好きになってた」
れんはその言葉を、ゆっくりと受け止めるように、呼吸した。
「……わたしも、だよ」
「……ほんと?」
「うん」
れんは、太一くんの手をぎゅっと握り返した。
「最初はね、わたしも。太一くんのこと、“一緒だ”って思ってた。いじめられて、居場所がなくて……でも太一くんがいたから、“わたしひとりじゃないんだ”って思えたの」
太一くんの目が、れんをまっすぐに見つめる。
「でも……それだけじゃなかったんだって、最近はすごく思う。太一くんといると、わたし……変われる気がする。安心するし、笑いたくなる。……太一くんといるのが好きだなって思ってたら、気づいたら……」
れんは、顔を伏せるように笑った。
「恋だった。ちゃんと、恋だって思ったよ」
******「47話 恋」より ***
⚠︎ハッピーエンドです。
【主な登場人物】
・れん :暗い見た目の女の子
・ピンくん:田中太一