あらすじ
「こんなはずじゃなかった!」
就職氷河期を乗り越え、新米探偵助手・天野アイが飛び込んだ『不知火探偵事務所』。所長の不知火京四郎は、警察からも一目置かれる伝説の名探偵──だと聞いていた。しかし、その正体は、推理力とスケベ根性が頭脳で合体事故を起こした、どうしようもないエロ親父だった!
アイの輝かしい社会人生活は、所長のセクハラ発言にツッコミを入れるだけの毎日に…。最初はそう、思っていた。猫探しや浮気調査といった、平和な依頼をこなす日々。だが、二人の日常は、やがて、血塗られた事件の渦へと巻き込まれていく。
童謡になぞらえた連続見立て殺人。嵐の孤島で繰り広げられる、遺産を巡る悪魔の殺人ゲーム。そして、探偵・不知火京四郎その人に、挑戦状を叩きつけてきた、宿敵・犯罪コンサルタント『M』との壮絶な頭脳戦。密室、交換殺人、アリバイトリックから、読者の認識すら欺く叙述トリックまで、二人が挑むのは、20を超えるミステリーの迷宮。電車で読めば危険なほどのドタバタ劇と、涙なしには読めない切ない真相が、あなたをジェットコースターのように翻弄する。
そして、物語は最大の危機へ。宿敵との死闘の果て、名探偵は、記憶を失ってしまう。残されたのは、推理力を失った「ただのスケベな中年」。探偵のいない探偵事務所で、アイは、彼が残した過去からのメッセージを頼りに、たった一人で、真の黒幕との最終決戦に挑むことを決意する。
これは、一人の頼りなかった助手が、どうしようもない上司との絆を武器に、本当の『名探偵』になるまでの、奇妙で、切なくて、最高にエキサイティングな記録。全ての伏線が一つに繋がる時、あなたは、笑いと涙の先に、最高のカタルシスを体験する。