あらすじ
【生ける屍の孤独と純愛の物語】
重なって存在する二つの世界。“生ける者”が棲むシガン。“死せる者”が棲むヒガン。そのシガンとヒガンに別れ棲む一組の恋人と、幾星霜も孤独に死んでいる少女の物語。現代日本が舞台のダークファンタジー。
恋人の颯と喧嘩した咲は不慮の事故で亡くなった。死者が輪廻転生までの期間を過ごす“シガン”で、咲はランコという“死せる者”に出会う。生前の記憶を失った咲はランコと共に“シガン”で暮らし始める。
ランコは輪廻転生の環から外れた存在で、永久にシガンで生き続けなければならない運命を背負っていた。
永い孤独の中での出会いに悦びを感じるランコと生前の記憶を取り戻しつつある咲。それぞれに夜の闇の中で死んだまま生きる道を探っていく。
【作中用語】『ヒガン考』より
『ヒガン考』:井口武雄が遺した生者と死者の世界についての考察を記したもの。
コン:魂魄の魂。精神を支える気。
ハク:魂魄の魄。肉体を支える気。
シガン:此岸。生ける者の世。
ヒガン:彼岸。死せる者の世。
生ける者:生者。
還りし者:死者のうち、寿命、病などにてハクを失い、コンのみの存在。四十九日の後、輪廻転生の環に還る。
断滅:コンもハクも失い、輪廻転生から解脱した者。
死せる者:死者のうち、事故死または自死した者。本来定められていたハクの存在期間の余剰があるため、コンと共にハクも残っている状態。ハクがあるため、可視者にはその姿を認めることができる。四十九日の後に、還りし者同様、輪廻転生の環に還る。
※noteに重複投稿しています(なろう版はnote版に加筆したものです)