あらすじ

―祈るように、あなたを噛んだ。それが愛だと、信じたかった。 かつて、少女たちは「巫女を食べれば無償の愛が得られる」と信じていた。 信仰に支配された小さな宗教団体──炎に消えたあの日から、すべてが終わったはずだった。 だが六年後、灯(ともり)は街角で、かつての“神”綾乃(あやの)と再会する。 焼き鳥を買い、暴力に耐えながら生きる彼女の姿は、信仰の中の“神”とはあまりに違いすぎた。 それでも灯は信じていた。 綾乃はきっと、甘くて、愛の味がするはずだと。 そして綾乃は微笑んで言った。 「食べてみる? わたし、愛されたことがないの」 ──これは祈りか、愛か、それともただの狂気か。 少女が少女を食べて証明する、たったひとつの感情のかたち。 現実の味は、生ぬるく、そして、永遠だった。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/06/25
  • 現在の作品祈りはまだ、甘く。