あらすじ

旧館の図書室には、秘密がある—— それは、当番のふたりが静かに恋に落ちること。 綾瀬奏(かなで)、高校二年。図書委員長。 読書とことばが好きで、少しだけ“面倒な女”だと思われがち。 でも彼女にとって、言葉は「生きてる証」。 そんな彼女が、ある日ふと気づく。 図書室の片隅に座る男子、中村航(なかむら・わたる)が気になって仕方ないことに。 彼は無口で、感情が読みづらく、でも本を開くときの手つきが優しい。 そして──誰にも見せない詩を、密かに綴っているらしい。 週に一度の当番。 一緒に並んで書架を整理し、展示の言葉を選び、返却本の匂いに笑い合う。 図書室の“静けさ”の中、ふたりは少しずつ、でも確かに近づいていく。 けれど、心の距離を縮めるのは簡単じゃない。 「恋」を知らないふたりには、目を合わせるだけでも精一杯。 応援してくれる友人、空気を読んで笑わせる男子、ちょっと冷たい生徒会のあの子。 それぞれの思惑と優しさが交錯する中、 奏は悩みながら、自分の気持ちに名前をつけようとする。 図書室で始まったこの“物語”は、 いつか誰かに読み返される日が来るのだろうか。 それとも──まだ、書きかけのまま? 恋することは、まるで、一冊の本を大切に読むようなこと。 これは、言葉と沈黙のあいだで紡がれる、甘くて静かな青春ラブストーリー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2025/06/21
  • 現在の作品図書委員さまのヒミツの初恋