あらすじ

「リリアーナ・エルヴェール。貴様との婚約は、ここに破棄する!」

 王太子であるユリウス殿下の声が、舞踏会の広間に響き渡る。
 私は静かにドレスの裾を整え、彼を見上げた。

「……そう。では、正式な書類は明日までに提出してね。手間をかけさせないでちょうだい」

 怒りに震える王太子を他所に、私はくるりと踵を返して去った。広間がざわめく。悪役令嬢が処刑されなかったことに、驚いているのだろう。

 ——まあ、当然よね。私は確かに“悪役令嬢”だったけれど、それは彼女を守るための演技だったんだから。

 彼女。王子が今まさに腕を取っている女、ミリア・セレスティア。平民から成り上がった、自称『前世の記憶がある』少女。

 つまり——

(私は乙女ゲームの悪役令嬢に転生した。そして今、物語の断罪イベントが発生したわけ)

 ただ一つ違うのは、このルート、本来なら私が国外追放されて終わり……じゃなかったこと。

 だってこの国の未来、私がいなくなったら詰むわよ?

 ふふ、どうするのかしら。見物ね。

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アルファポリス
アルファポリス2025/06/23
  • 現在の作品悪役令嬢として追放されたけど、攻略対象全員に追いかけられてます