あらすじ

世界各地で、不当な手段で手に入れられたとされる美術品が、忽然と姿を消し始める。事件の犯人は、予告状と共に現れる神出鬼没の怪盗、《アークス》。彼は、厳重な警備を嘲笑うかのように、時に警察官や美術品所有者本人にすら変身した分身を操り、時に美術品を透明化させたり、特定の場所へワープさせたりする不可解な魔法を駆使して盗みを実行する。そして、彼の真の狙いは美術品そのものに非ず。その盗難は、悪徳な所有者が美術品を不当に入手した決定的な証拠を明るみに出すための巧妙な舞台装置であり、これにより悪役たちは次々と警察に逮捕されていくのだった。 警視庁の若き警視、冴島 漣は、科学では説明できない完璧なアリバイと、警察すら操る怪盗の知略に翻弄される。彼は怪盗の行動の裏に隠された真実、そして「魔法」の存在に薄々気づきながらも、法と正義の狭間で苦悩し、独自の捜査を深めていく。 一方、怪盗《アークス》の正体は、古美術修復師の月森 響。彼は、代々受け継がれてきた「秘法」により、特定の美術品に宿る魔法の力を引き出し、それを自らのものとすることができる唯一の人間だった。幼い頃に目の当たりにした、祖父・静馬が大切にしていた「秘宝」が奪われた悲劇をきっかけに、響は美術品から魔法の力を「解放」し、不当な所有者から取り戻し、真の持ち主に返すという使命を自らに課した。彼は美術品を返還するたびに新たな魔法の力を得て、その能力は際限なく進化していく。 響の行動は、やがて彼が追う巨悪の組織、美術品を裏で操る国際的なシンジケート「シャドウ・オークション」の存在を炙り出す。彼らは、響が解放しようとしている「魔法の美術品」に宿る真の力を、世界支配のために利用しようと画策していた。 冴島は、怪盗の行動が引き起こす不可解な事件の連鎖から、ついに「シャドウ・オークション」の陰謀、そしてその中心にある「エーテル・チェイン」と呼ばれる古の魔法の連環の存在に辿り着く。法と正義、そして秘密の魔法を巡る壮大な三つ巴の戦いが始まる。月森響が《アークス》としてその姿を現すことはなく、彼の物語はこれからも続いていく。

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小説を読もう2025/06/22
  • 現在の作品怪盗アークスの遺産