あらすじ
アネリーゼは、触れた物の過去を読み取る「サイコメトリー」の能力を持って生まれた。
しかし、それは彼女に頭痛をもたらすだけの、忌むべき「呪い」だった。嫉妬深い義姉の策略で窃盗の濡れ衣を着せられたアネリーゼは、実家から追放され、その能力が唯一役立つかもしれない場所――王宮宝物庫の地下、呪われた遺物を収蔵する部署で記録係として働くことになる。
彼女の静かな日々は、保管庫に厳重に封印されていたはずの呪いの首飾りが引き起こした外交問題によって打ち砕かれる。
誰もが彼女を疑う中、唯一その無実を信じたのは、冷徹にして天才と名高い宮廷魔術師長ヴァレリウス卿だった。
彼は、アネリーゼの「役立たず」な能力こそが、呪物を武器として利用する巨大な陰謀を解き明かす唯一の鍵であることに気づく。
不本意ながらも、アネリーゼはヴァレリウスの秘密の捜査協力者となる。
彼は彼女の能力を制御するための魔術的な加護を与え、彼女は彼に、他の誰にも視ることのできない手がかりを提供する。
王国を揺るがす陰謀を追ううち、常に合理的であったはずの魔術師は、あらゆるものの真実を視るひたむきな少女に、次第に強く惹かれていく。
自らの力を呪いと信じていた彼女は、その力で陰謀を暴き、王国で最も高位の魔術師の心をも手に入れることができるのだろうか。