あらすじ
星ノ宮学園に転入してきた碧は、実用主義の幼なじみ早紀とともに、閉鎖中の分校旧図書館で錆びた鍵と羅針盤を拾う。地下に眠る「時の図書館」の扉を開くと、羅針盤の針は本棚ではなく失われた本の「ページ番号」を指していた。針の示すページを開くと、その物語世界へ転移できる――しかし七つの名作が誰かに書き換えられ、悲劇的な偽エンディングが広がり、現実の学園にも怪異や災厄が滲み出し始める。
碧たちはリラックス上手の勇希、心地よい空間を整える純子、自分の弱点を認め準備を怠らない周、規律を尊ぶ朝子、仲間には情に厚い陽翔、忘却術で前向きを保つ麻実とチームを結成。童話の森で迷子のウサギを救い、深海の幽霊船で“宝=思い出”を取り戻し、怪談の廃校で誤解を解くなど、ジャンルごとに価値観のぶつかり合いを乗り越えながら「正しい結末」を取り戻していく。
だが黒幕は、失踪した司書の弟子トレヴァーと、成功体験に固執するガブリエラだった。二人は「想像力で物語を支配すれば現実も書き換えられる」と語り、羅針盤と“未来が書かれていない白紙ページ”を奪う。無限書庫でのペン一本の論戦――友情も恋心も読者としての君の想像力さえ力になると気づいた碧は、白紙にみんなの未来を書き込む決意をする。
羅針盤が最後に示したのは“空白の未来”。そこで問われるのは「書き手の資格」――誰が、どんな物語を紡ぎたいのか。主導権を握りたがる碧と無難を選びがちな早紀の心はすれ違い、告白も戸惑いの中へ。仲間の一文が織りなす多彩な物語はやがて大きな虹のように重なり合い、トレヴァーたちが抱える孤独までも包み込む。図書館の鐘が鳴るとき、碧が選ぶ“次の一行”とは――