あらすじ
老舗の漢方薬局「カクノミ堂」の跡取り息子、白峰万象は、呪われていた。
カクノミ堂では、〈裏〉の薬と呼ばれる漢方薬が、治療薬のない病気にも効くとひそかな人気商品だったが、じつはその薬は人間用でなく、妖怪用で、薬を買い付けるためには、呪われなくてはいけなかった。
しかし、呪われた直後に取引相手の妖怪は行方をくらまし、カクノミ堂は取引相手を失った。
これでは、呪われ損である。
万象は、新たな仕入先を求めて、とある山へ向かった。
そこは、標高二千メートル越えの山岳地帯。
〈裏〉の薬と呼ばれる漢方薬に関わる場所のはずだが、誰が、どう作っているのか――。
万象は、まだ知らなかった。