あらすじ
会社をリストラされたしがない中年・佐藤(42歳)。ある日、世界中にダンジョンが出現し、人々はスキルに目覚めた。しかし、佐藤が手に入れたのは、ダンジョン内の「モンスター」「罠」「宝箱」の位置を、一日三回だけ自由に入れ替えられる【配置換え】という、戦闘能力ゼロの地味スキルだった。
「こんなもの、何の役にも立たないじゃないか……」
再就職も上手くいかず、やけくそでダンジョンに入った佐藤は、試しにスキルを使ってみる。ボスの目の前にあった【毒沼の罠】と、安全な通路にあった【回復の泉】を入れ替えると、ボスは勝手に毒沼に落ちて自滅。強力なモンスターの目の前に【転移の罠】を配置して強制送還。
地味だが、使い方次第で「戦わずに勝てる」最強の攻略スキルだと気づいた佐藤。高ランカーたちが苦戦するギミックを鼻歌交じりで突破し、誰にも発見されなかった隠し宝箱を根こそぎ回収。いつしか彼は、誰にも正体を知られないまま「ダンジョンの神」と呼ばれるようになっていた。