あらすじ
皆さん、はじめましてっ!
わたしの名前は――犬神 愛衣(いぬがみ あい)と申します。
(しっぽ、ぶんっ……あの、ちょっとだけ緊張してます……っ)
ふわっふわのしっぽと、金色の髪がトレードマーク……だけど、
物語が始まる頃のわたしは、みんなには“ちょっと気になるクラスメイト”くらいに見えてるかも……?
この【犬神物語】では、わたしがこっそり語り手をつとめながら……
みんなのすぐそばで、
小さな記憶の糸を、そっと結んでいくのが……わたしの“お役目”なんです(しっぽ、くるん)
そんな“記憶の糸”は、実は……
わたしたちのすぐそばにも、そっと結ばれているのかもしれません。
ふとした瞬間に、懐かしさを感じる場所って――ありませんか?
風の匂いとか、陽だまりのぬくもりとか。
誰かと交わした言葉さえ思い出せないのに、
それでも、胸がじんわりするような……そんな感覚。
もしかしたらそこには――
“忘れられた奇跡”が、静かに眠っているのかもしれません。
この物語は――
そんな奇跡をひとつ、思い出していくお話です。
舞台は、やさしい風が吹きぬける町――日向町(ひなたちょう)。
この物語の主人公であるのは、高校2年生の
犬神 千陽(いぬがみ ちはる)ちゃん。
元気いっぱいで明るくて、どこかちょっとドジでおっちょこちょい。
だけど、誰よりもまっすぐで、誰よりも優しい女の子です。
健康でいられることに感謝しながら、
朝の空気や、お味噌汁の匂い、そして――
相棒である犬のゲンキとのお散歩を“今日も最高!”って思える、そんな子。
大好きなテニスに向き合うチハルちゃんの笑顔は、
汗と風の中できらきら輝いて、見ている人の心をそっと照らす――
その一振りが、誰かの“明日”を変えてくれるような気がするんです。
そして――そんな彼女の中には、ずっと昔から“何か”が眠っていたのです。
前世の犬の記憶と、“犬神の力”。
チハルちゃんの物語は、やがてその目覚めとともに、
とても大切な“誰かを想う気持ち”と出会っていくことになるのです。
涙があふれる夜もあって、
心がふるえる朝もある。
それでも――チハルちゃんは、仲間と共に前を向く。
過去と向き合いながら、“今”を、まっすぐ生きようとするその姿は――
読者の皆さまの胸にも、きっと何かを届けてくれるはずです。
これは、ひとりの転生少女が過去と向き合い、大切な仲間たちと絆を育みながら、自らの運命を切り拓いていく――
前世から続く、感動の青春ファンタジー。
大切な誰かに出会うように。
そして、自分自身をもう一度、信じてあげるために――
チハルちゃんの物語、
どうか最後まで、見届けてあげてください。
――語り手・犬神 愛衣より。