あらすじ

最愛の人を見送った日から、食卓に残ったのは、左利き用のマグカップだった。欠けたふち、バジルの鉢、雨音と子猫、片耳のイヤホン、ふたり分だった買い物かご——日々の暮らしに残された、小さな風景のひとつひとつが、確かにそこにいた時間を呼び戻す。紅茶を淹れる手が覚えていたぬくもり、湯気の向こうに浮かぶ空。これは、ある朝のマグカップに注がれる、やさしい記憶と再生の物語。静かな十篇の、ささやかな癒し。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2025/06/17
  • 現在の作品左手のマグカップ