あらすじ
田中誠、32歳、営業職。会社と家を往復するだけの日々に、趣味であるはずの料理も、いつしかマンネリ気味になっていた。「何かを変えたい」。そんな漠然とした焦燥感に駆られた彼が、人生の突破口を求めて門を叩いたのは、お洒落なイタリアン料理教室。その動機は不純で、広告の写真で見て一目惚れした超美人OL・美咲に近づきたい、ただそれだけだった。
しかし、その小さな一歩が、彼の平凡な日常を根底から覆すことになる。
教室で意気投合したのは、お目当ての彼女ではなく、人懐っこいイタリアン好きの男・鈴木だった。彼が振る舞う「本物のカルボナーラ」の衝撃的な美味さに感動した誠は、お返しに得意の「豚の角煮」を披露。すると、誠の非凡な才能を見抜いた鈴木は、彼をある場所へと誘う。都心の寂れたビルの地下、重い鉄の扉の先に広がっていたのは、非合法な地下闘技場…もとい、料理人たちが金と名誉、そして人生の全てを賭けて己の皿で殴り合う、秘密の料理倶楽部『グラディウスの厨房』だった。
氷のフレンチエリート・橘、炎の卵料理専門家・ひなた。出会うなり、そんな猛者たちと三つ巴の即興料理バトルをすることになった誠。誰もが侮る中、彼が作ったのは、ありふれた「出汁巻玉子」。だが、その一皿は、食べた者の脳裏にご来光を昇らせ、宇宙を見せるという奇跡を起こす。彼自身も知らなかった、家庭料理で培われた「想いを込める力」が、プロの技術を凌駕した瞬間だった。
これは、恋に破れた地味なサラリーマンが、最高の仲間たちと出会い、日本の料理界の頂点「エンペラー」を目指す、熱き成り上がり料理バトル譚。
最高級ステーキを打ち破る「究極の牛丼」、伝説の巨匠を号泣させる「思い出の揚げ出し豆腐」。食べた者の脳内に津波や火山噴火が起こるド派手なリアクションと、明日すぐ作りたくなるリアルなレシピも満載でお届けします。
果たして、平凡な男の「いつもの家庭料理」は、世界の頂に届くのか。熱き友情と手に汗握る料理対決が、今、始まります!