あらすじ
俺、五十嵐健介(37)は、しがない土木技師。ある日突然、剣と魔法の異世界に「勇者パーティー」の一員として召喚された。
だが、与えられたスキルは【構造解析】と【最適化】――。「戦闘には使えない」「地味すぎる」と、若き勇者たちに罵倒され、役立たずの「おっさん」としてパーティーから追放されてしまう。
送り込まれた先は、魔物が跋扈し、インフラも崩壊した「見捨てられた辺境」。
かつては「城塞鉱山都市」として栄えたが、今は見る影もなく落ちぶれ、誰も寄り付かない呪われた土地だった。
――だが、俺は絶望しなかった。
崩れた崖、氾濫した川、枯れた土地。
絶望の光景も、俺の目には最高の『現場』にしか見えない。
地味なスキル? とんでもない。
前世で培った知識と経験、そして全てを見通すこのスキルを組み合わせれば、どんな派手な攻撃魔法よりも強力な「奇跡」を起こせることを、あいつらは知らない。
安全な水路を引き、頑丈な橋を架け、災害に強い街を造る。
俺の「仕事」が、このどうしようもない土地を、世界一住みたい都へと変えていく。
これは、一人の地味な中年技仕事人が、やがて「建国王」として歴史に名を刻むことになる物語。
――俺を捨てた勇者たちが、今更泣きついてきても、もう遅い。