あらすじ
若然酸無、24歳。かつて音楽の新星であったが、一応社畜でもなく余裕のある生活を過ごしている。
ある日ライブハウスのフロアに迷った幼獣のような娘・架樽硝子を拾ったら、無双なる顔や才能を持つどころか、プロデューサーの私にも興味津々……
しかも、たまには「インスピレーションのため」という名目で曖昧すぎるスキンシップをねだってくる。ひいては「体の重なり」も。
こんなわがままなんて、対して年上の大人でもあれば業界の先輩でもある私は決して——
いや、ごめん、一切断れなかった。
「ふふん、責任とってもらいま〜す。音楽の生涯と愛情の欲求、どっちでもですよ?」
言うまでなく取るから。
絶対にこの子をトップ級のアーティスト、そして幸せにしてあげようと、私は決め付ける。
もしかしたら、はじめて彼女が自作のメロディーを囀るのを聞く時から、腐りかけた音楽の野望はもう一度芽吹いたと同時に、私自身も彼女の隅々に深く引かれていったのかもしれない。