あらすじ
あなたのいない未来で、
わたしはまだ、あなたの声を探している。
何も言えなかったあのときも、
視線がすれ違った午後も、
ただ手を伸ばすだけで、
届きそうだったのに届かなかった夜も――
もういないあなたと、
まだここにいるわたしが、
すこしずつ、ちがう時間を生きていた。
これは、ふたりでいたはずの記憶と、
すれ違ったままの気持ちを、
ひとつずつ拾いなおすように進んでいく、
「交わらなかった恋」の物語。
忘れたくないのに、
思い出すたびに遠ざかっていくあなたを、
わたしはまだ、
名前もつけられないまま抱えている。