あらすじ
いにしえより、日本全土には「神遺」(かむい)と呼ばれる八百万の神々が齎す気まぐれな災害現象が降り注いでいた。「神遺」を鎮魂するため、人界には「山を司る異能」を山神より授かった十二柱の現人神が顕現する。御方々は「客神十二柱」(まれびとじゅうにはしら)と呼ばれた。
万枝常若(よろずえとこわか)は、客神十二柱が一柱、「呪いの客神」として幼き頃から屋敷の結界の中に閉じ込められて過ごしてきた。常若の呪いの異能の強大さはまさに、千年に一度現れるか否かの逸材。凄まじい才能を秘めているがゆえに、異能の力に魂が呑まれ、常若自身が正真正銘の「神」そのものへと成りかけてしまっていた。
常若の強大な呪いの異能を恐れた人々は常若を忌み嫌い、疎み、遂には国の脅威として殺すべきだと判断し、「常若の異能制御の役を担った結婚相手」と称して常若を殺す指令を請けた男——斗戸千種(しなとちくさ)を派遣してきた。
しかし、千種は常若を以前から知っているような素振りを見せ、「あなたを国に殺させるわけにはいかない。俺はあなたを神から人へ『天降り』させるために、契約結婚を申し込みに来たんだ」と語る。
こうして常若は、「神から人への天降り」を目指し、一年という期限付きで千種と契約結婚を果たすのであった。
これは「呪いの少女神」×「少女神に己の全てを捧げる献身を誓った従者」による、神から人へと生まれ変わる天降り婚姻譚。