あらすじ
目が覚めたら、知らない部屋にいた。
「記録者ナンバー1247」——壁に刻まれた文字。
そこは“記憶の残滓”が蠢く、異形の空間だった。
出口は見えるのに、たどり着けない。
かつての“僕たち”の影が声を発し、鍵が足りず、言葉が崩れる。
20の部屋を抜ければ帰れるというが、
手にしていたはずの「マスターキー」は、第1の空間で落としていた。
これは、記憶と空間に喰われる青年・悠の物語。
そして、読者である“あなた”に遺された、1247通目の手記。
――忘れていたのは、本当に記憶か。それとも、自分自身か。