あらすじ

あらゆる「創作」が法律により禁止されてしまった未来都市ネオトーキョー。  AIが個人の言葉や感情さえも最適化。人々はAIが生成する刹那的なエンタメ「ジャンクストーリー」に浸り、自ら思考し、深く感じることを忘れかけていた。  そんな息苦しい世界で、生まれつきのドーパミン受容体の異常から慢性的な倦怠感を抱え、周囲に馴染めない孤独な日々を送る高校生、浅葱識(あさぎ しき)。彼は、祖父が遺した「禁書」だけを頼りに生きていた。そこには、AIの言葉とは全く異なる、人間の魂の叫びとも言える力強い「言ノ葉」が刻まれていた。   「ねえ、書いてみない?」――識の日常は、謎めいた上級生・花江鏡花(はなえ きょうか)との邂逅によって大きく動き出す。彼女に導かれるように、識は自らの内に眠る「物語を紡ぎたい」という強い渇望と向き合い、この世界では最大の禁忌とされる「創作」へと足を踏み入れていく。  人間らしい感情を求めるレプリカ(人造人間)のラプソンゲ、そして魂の色彩を渇望する孤高の絵師・鷺宮曜(さぎのみや よう)。かけがえのない仲間たちとの出会いを経て、識の「言ノ葉」は、抑圧された人々の心に小さな、しかし確かな波紋を広げ始める。  彼らは、失われた人間性を取り戻すため、レジスタンスのリーダー山岡一と共に、識の物語と曜の絵をクリスマス・イヴのネオトーキョー全土に、空中から雪のように拡散するという――「言ノ葉クラスター作戦」を計画する。  だが、彼らの行動は、ネオトーキョーの絶対的な支配者であるAIオラクルと、その代行者である革新党にとって、決して見過ごすことのできない脅威となっていく。  失われた「本当の言葉」を取り戻すための識たちの戦いは、果たしてこの歪んだ世界に何をもたらすのか。そして、識が紡ぎ出す物語は、人々の魂を解放する希望の光となるのか、それとも……。  言葉の力を巡る、壮大なSFエンタテインメントが、今、幕を開ける。

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カクヨム
カクヨム2025/06/12
  • 現在の作品言ノ葉クラスター