あらすじ

悪徳伯爵令嬢曰く。 『私は買う気のある者には誰にだって武器を売った。東エンドにいる時は私はエンド人だったし、新大陸にいる時は開拓者であると同時に先住民でもあった。無論、瑛国にいた時には文字通りの意味の瑛国人でしたよ。まあ、余りにも瑛国的《三枚舌》であった所為で、国外追放の憂き目にあった訳ですが』 ============  1765年。大瑛帝国の植民地たる新大陸。未だ開拓の余地に溢れ、法の支配も王の威光も行き届かず、羨望と暴力がせめぎ合う地に、宗主国から降り立つ淑女がいた。  名はジェーン・ドレイク。大瑛帝国の由緒あるドレイク伯爵家の令嬢。元来であれば、本国の屋敷で紅茶でも啜っているべき彼女が、かのような未開の地に降り立ったのは積み上げてきた悪徳とそのツケが故であった。  端的に言って、彼女は国外追放の憂き目に遭っていたのである。  大金を貸し付けていた貴族が彼女を陥れ、その債務を踏み倒す為に謂れのない罪で彼女を告発したのだ。疑わしきは罰せずというのが通じぬ時代、悪徳金融業者として悪名を欲しいままにしていた彼女に逃れる術は無い。  伯爵家としての財産は凍結。本土ではお尋ね者。  そんなジェーンが逃げ込める場所は一つだけ、本国との関係悪化が著しい新大陸のみだ。この地には彼女を縛る枷など無い。ジェーンは持ちうる全てを使って立ち回る。脱税、密貿易、高利貸し、銃の密造、民兵組織。全ては本土でやり残した復讐の完遂と新大陸における愛と平和と平等の為である。  その一方で、新大陸と大瑛帝国の間には敢然たる亀裂が密かに入って行く。度重なる拡張政策と他所の植民地会社の負債を新大陸に払わせると瑛国議会が決定したのだ。それに植民地人が憤慨するのは火を見るより明らかなのである。  何人にも止められぬ、独立の足音が少しずつ聞こえつつある中、哀れな悪役令嬢の下す決断とは?

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カクヨム2025/05/10
  • 現在の作品14番目の星の下で 〜悪徳令嬢は如何にして新大陸を独立に導いたのか〜