あらすじ
香る希望、奏でる未来
―ヤングケアラーの詩―
静かな朝、パンの匂い
少し焦げても それは温かい
小さな手が焼いた証(あかし)
笑顔が食卓を照らす
あの日、私は音を忘れた
指先は冷え、心は閉ざされていた
誰にも言えない痛みを
鍵盤の奥に 押し込んでいた
でも あなたが差し出した手は
言葉よりも柔らかく
何も問わず そばにいてくれた
その温もりが 音を呼び覚ました
一音一音に、想いを込める
涙も、叫びも、希望も
ピアノの旋律が すべてを包んで
私の心を 誰かへと届けた
「大丈夫」じゃない日があってもいい
「ひとりじゃない」と言えるだけで
明日は少し 軽くなるから
私はもう、黙って頷くだけの私じゃない
パンの香りが 家を満たす
それは焦燥のにおいじゃない
未来へ向けた 小さな贈り物
あたたかくて やわらかくて ほのかに甘い
さあ、今日も音を奏でよう
誰かと手をつなぎながら
名もなき勇気が 響いていく
香る希望を胸に抱いて
私の未来を 私が紡ぐ