あらすじ
お前は私じゃない、だから干渉してはいけない。よく言われることだけれど、それでも人間が人間である以上これまでに積み重なってきた類推から大きく外れることはできないわけで、その点において理解も共感もできなかったとしても過去にある類例から対処の方法というのはある程度定まっているのがそれこそ当たり前にある認識だ。人間から人格を剥がしてひとつひとつの要素にまで分解したとき、人間性はどこにあるのか、本当はそんなものどこにも無いんじゃないのか、こんなことをまさか高校の見学なんてつまらないイベントで思うことになるのは不思議だけれど対して珍しくもないのだろう。人を全て理解しようとする生物科学の街に来て、その中でなんだか不穏なものを見かけるが、あれが何なのかよくわからないまま、人と他生物の境界を見せつけられる気持ち悪さを浴び続けると、皆がどれだけ狂った蒙昧なのかと変な思考が常に走ってなお気持ちが混沌としていく。お前は誰だ、僕はなんだ、実在って確証か、人間は本当に人間か、きっとその境界線で人間は踊っているのだと歴史が語るその先端で、僕は知らない過去と見えない未来に同時に襲われていた。