あらすじ

右耳のココロメーターが常に18℃を示す、感情の波が凪いだ少女・天宮雫。彼女にとって世界は、静かで透明感のある青色に染まっている。喜びや興奮といった鮮やかな色は遠い星の光のように感じられ、外界の喧騒とは隔絶された、自分だけの静かな宇宙で生きていた。 桜が舞い散る清嶺高校の入学式の日、雫はひょんなことから、太陽のように明るいオレンジ色のココロメーターを持つ、エネルギッシュな男子生徒・日向陽太と出会う。不注意から雫にぶつかってしまった陽太は、その眩しい笑顔と、周囲を惹きつける明るさで、雫の静かな日常に小さな波紋を広げていく。 新しいクラスでも隣の席になった陽太は、遠慮なく雫のパーソナルスペースに入り込み、積極的に話しかけてくる。騒がしいのが苦手な雫は戸惑いを覚えながらも、彼の屈託のない明るさ、そしてふとした時に見せる優しさに、今まで感じたことのない微かな熱を感じ始める。 昼休み、一人で屋上の隅にいた雫に、陽太は友人たちとやってくる。彼の何気ない言葉や、真っ直ぐな視線は、雫の心の奥底に静かに広がる青色を、ほんの少しずつ、しかし確実に揺るがしていく。 「天宮の瞳の色みたいだ」 陽太のその一言が、雫の心臓を、今まで聞いたことのない微かな音で跳ねさせる。彼女の右耳のココロメーターは、静かに「18.1℃」を示した。それは、彼女にとって初めての、予測不能な熱帯夜の始まりを告げる、微かなパルスだった。 桜色の風が吹く中、青い世界に生きてきた少女と、オレンジ色の熱を持つ少年。二人の出会いは、静かに、しかし確実に、雫の日常に新しい色の予感を運び始める。

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エブリスタ
エブリスタ2025/04/13
  • 現在の作品『秒速0.1℃の恋予報 - ちょっと未来の私たち -』