あらすじ
「お前は次期巫覡だ。剣を握ることは許されない」
ヴァルミア王国の名門・ルトリッジ家に生まれたクーパーは、幼い頃から巫覡(ふげき)としての道を定められていた。
しかし、彼の願いはただ一つ——騎士になり、人々を守ること。
王国は新興宗教「レイヴェント教団」の台頭によって混乱し、民心は揺らいでいた。
そんな中、巫覡としての運命に反発し続けるクーパーは、騎士としての力を求め、ある男のもとを訪れる。
「トレイス・ガーランド——かつて王国最強と謳われた騎士」
しかし彼は、ある事件によって騎士資格をはく奪され、森の奥でひっそりと暮らしていた。
クーパーは彼に剣を教えてほしいと頼むが、トレイスは冷たく突き放す。
——それでも、クーパーは諦めなかった。
互いにぶつかり合う日々の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。
クーパーはトレイスの強さだけでなく、その優しさや不器用な一面に惹かれていった。
そして、自分が「本当に守りたいもの」が何なのかを知る。
「僕は…巫覡になります」
巫覡となることを決意したクーパーは、王国中にそのことを発表する。
しかし、巫覡としての就任には「愛する者と交わる儀式」が必要だった。
クーパーは迷わずトレイスを選ぶが、家族や王国から猛反対を受ける。
それでも、クーパーの想いは揺るがない。
そして迎えた儀式当日、神殿に現れたのは——トレイスだった。
しかし、その瞬間、王国を揺るがす事件が起こる。
巫覡の継承を阻止しようとするレイヴェント教団の襲撃。
神殿の外では、クーパーの母と姉が壮絶な戦いを繰り広げていた。
「お前たちの好きにしろ」
激戦を制した母は、そう言ってクーパーを送り出す。
——そして、クーパーとトレイスは契りを交わした。
だが、その数ヶ月後——
巫覡となったクーパーの身体にある変化が訪れる。
それは、これまでの常識を覆す「奇跡」だった——。