あらすじ
出版社で働く25歳の編集者、篠原梨沙(しのはら りさ)は、子供の頃から繰り返し見る夢に悩まされていた。
それは、自分の知らない時代で、誰かを愛し、そして別れを告げられる夢。
最近、その夢がより鮮明になり、目覚めるたびに胸の奥が締め付けられる感覚に襲われる。
ある雨の日、友人と待ち合わせをしていた梨沙は、遅刻しそうになり急いで横断歩道を渡る。
その時、一台の車が猛スピードで迫り、衝突の瞬間――彼女は誰かに強く引き寄せられる。
目の前にいたのは、傘もささずに雨の中に立つ男、高遠颯真(たかとお そうま)。
28歳の天才外科医である彼は、初対面のはずの梨沙に、なぜか言い知れぬ違和感を覚える。
「あなた、私のこと知ってる?」
梨沙は、なぜか彼に懐かしさを感じ、思わず問いかける。
「いや、初対面のはずだ」
颯真は否定するが、彼もまた、梨沙を見た瞬間に説明のつかない胸のざわつきを感じていた。
それは、偶然なのか、それとも運命なのか――
雨の中で交わされた視線が、二人の運命を大きく動かしていく。