あらすじ

十七歳の春、青山時雨は自分だけが「街の呼吸」を感じ取れることに気づく。歩道橋や屋上から見下ろす街が、まるで生き物のように脈打ち、時間の流れと一体化しているように見えるのだ。その秘密を誰にも話さず過ごしていた時雨だが、ある日、同級生の美月とともに屋上から不思議な光の粒が舞い上がるのを目撃する。光は二人の前で街の地図を描き、見知らぬ建物と赤い点を示す。翌日、二人は地図の場所である公園に向かい、伝説のタイムカプセルを発見。箱に触れた瞬間、二人は未来の公園へと転送され、そこで「百年後の時雨」と名乗る少年に出会う。  未来の時雨は、美月が実は「時の番人」であり、時雨自身は「時の観測者」だと明かす。二人の力が合わさることで、街の時間の歪みを修復できるという。かつて科学者ハラダ・ミライ博士が作った時間制御装置の暴走により、街の時間は過去と未来が混在し始めていた。二人は博士と協力し、時の裂け目に入り、暴走する「時の心臓」を正常なリズムに戻すべく力を合わせる。危険な試練を乗り越え、ついに装置の暴走を止めることに成功。博士は安らかに消え、街の時間は穏やかさを取り戻す。  現実に戻った二人は、互いへの想いを確かめ合い、普通の高校生としての日々を大切に過ごす。時雨は街の呼吸を感じ続けながら、美月と共に過ごす時間の尊さを実感する。季節が巡り、二人は大学進学を控えながら、過去と未来が共存する「時の庭園」で再び約束を交わす。どれだけ時が流れても、この場所で再会し続けると。  街は今日も静かに呼吸している。時を超えた二人の絆と、かけがえのない青春の記憶を見守りながら——。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
エブリスタ
エブリスタ2025/05/20
  • 現在の作品時の呼吸、君と紡ぐ街で