あらすじ
逆境に負けず「魔法のエンジン」発明を夢見る女の子と、家族から「汚れた血」と呼ばれる人狼男子。
超絶鈍感な二人が両片思いをこじらせている間に、悪意がそっと忍び寄り、手を伸ばす。
人間と人狼、庶民と上流家庭。何もかもが違う二人の前に立ちはだかるものは――。
蒸気機関が発達した世界の左端にある、「幾望(きぼう)国」。
高等中学二年生、十七歳の瑠奈(るな)は、特待生として学校に通いながら、病気の父の仕事を引き継ぎ、石炭にまみれて働いていた。
そんな彼女には、色々な意味で気になる人がいる。
同級生の朔夜(さくや)だ。
大きな会社を幾つも経営する鴻(おおとり)家の長男である彼は、常に瑠奈と学年首位を争う仲である。
ある日、瑠奈が危機に陥った時、朔夜は体を張って助けた。
その時、彼女は知ってしまう。
朔夜は、空想上の存在とされていた「人狼族」であることを。