あらすじ
自分の信仰に従って大学の同級生を殺し、死刑を宣告された『灰谷ヤミ』。
時空を超えてヤミが捕まっていた独房にやってきた、世界を救う魔法使いの『火置ユウ』。
孤独な二人は惹かれ合い、魔法の力で脱獄して『閉ざされた夏休みの世界』に来てしまった。
ユウへの気持ちが抑えられないヤミと、ヤミが気になりつつも今までの関係が心地良いユウ。
そんな二人は、『生まれて初めて手にした平穏』と『二人っきりの世界』の中で、どんな毎日を送るのか……?
一途すぎる歪んだ思いや、本心と理想が生み出す矛盾と葛藤。
求めるもののためなら死ぬことを恐れない二人の危うく繊細な心の動きは、お互いの関係を強くしたり、危険な方向へ導いたりする。
これは、そんな二人が過ごす夏休みの物語。
<登場人物>
灰谷ヤミ(22)
元大学生の死刑囚。夕闇色の髪、金色に見える瞳を持ち、長身で細身の体型。
「悲劇的な人生」を歩んできた彼は死刑を心待ちにしていたが、魔法使いの火置ユウと出会い生きる意欲を取り戻す。
物腰穏やかで素直、思慮深い性格だが、一つのものを信じ通す異常な執着心があり、極度の「知りたがり」。そして見かけによらない「負けず嫌い」。
火置(ひおき)ユウ(21)
黒くウエーブしたセミロングの髪、宇宙色の瞳、やや小柄な魔法使い。11歳の時に時空の渦に巻き込まれて魔法使いになってからというもの、「時空の魔女」として崩壊しそうな世界を直す仕事をしている。
個人主義者でプライドが高い自由人。感受性が高いところが強みでもあり、弱みでもある。
周囲に入れ込みすぎずクールでいることを心がけているものの、感受性の高さゆえにクールに徹しきれないことも。