あらすじ
『お歴々(おれきれき)』
法の及ばぬ闇に、異能の刑事たちが挑む。
現代日本の“秩序”は、すでに限界を超えている。
警視庁地下深くに封印された、極秘部署の通称「トメ課」。
魔術、霊障、時空の歪み……常識を拒む事件だけを扱うこの部署には、国家機密級の異常と向き合うため、ひと癖もふた癖もある刑事たちが集められていた。
元捜査一課のエース・神鳥(かんどり)。
かつて鋭い推理と冷静な現場判断で数々の難事件を解決してきたが、ある“オカルト事件”を追ったことで「トメ課」へ形式上の“左遷”を命じられる。
だが、彼の異動は偶然ではなかった。
未解決事件の裏に潜む異形の存在へ、自らの意志で足を踏み入れた男だったのだ。
彼を迎えるのは、二度死んで二度復活したという噂の女・早乙女トメ。
昭和の勘と最新鋭の呪文を使いこなし、情報端末と霊符を同時操作する謎多き女性。
彼女は“生死の境界”を知る存在として、トメ課の暗部を支えていた。
そして、街に出現する“三度死んだ死体”、
SNSで自撮りを続ける“生首インフルエンサー”、
記憶を通貨にする巨大企業“メモリアム”。常識を踏み越えた怪事件の背後に、歴史の深淵から蘇った秘密結社“エトセトラ”の影が忍び寄る。
命とは何か。
記憶とは誰のものか。
そして「存在」とは、本当に確かなものなのか。
日常の笑いの裏に、不気味な真実が牙を剥く。
バディの絆、交錯する記憶、浮かび上がる神鳥の過去と、トメの正体。
ギャグとハードボイルドが同居する語り口で、最後の一行まで読者を翻弄する。
警察×伝奇ファンタジーの常識を覆す、かつてないスリリングな物語。
これは、“法”では裁けぬ世界を、“魂”で裁く者たちの記録である。