あらすじ
神話存在が現実に干渉する世界で、東京に広がる濃霧の夜、公安部〈異端観測課〉の調査官・神楽坂凛は、地図にも載らぬ「火のない祠」に辿り着く。そこは“神話存在”が現実世界に干渉し始めた異変の震源。かつて火を司った神〈赫夜(かぐや)〉が封じられた神域だった。しかし封印は既に綻び始め、赫夜は灰の中から現世に顕現。彼女は“火の神”であると同時に、“人間の火への欲望”そのものが具現化した〈信仰の化身〉であり、災厄そのものだった。
赫夜の再来に動揺する凛の前に現れたのは、10年前に彼女と相討ちで消えたはずの男、神喰い・柊 刃(ひいらぎ じん)。彼は赫夜の“感染”が都内六箇所に広がりつつあると警告する。赫夜は火にまつわる都市伝説や信仰に同化し、6つの“異常熱源”として覚醒の兆しを見せていた。
赫夜は神ではなく、火を望む人の心そのもの。そして、燃え広がれば、人が新たな神となる"信仰が神を作る”世界の逆転現象が始まる。
柊の刀は名を喰らい、存在を忘却に落とす武器。ふたりは赫夜を忘れさせるため、“名前を殺す”戦いに挑む。東京が、神話に呑まれる前に。