あらすじ
かつて北の大地を治めたノルドロンド公国は、圧倒的な軍事力を誇るモントカイン大帝国の侵攻で、その誇りを無残に踏みにじられた。公王は目の前で倒され、絶世の美女と謳われた公妃リュドミラは、征服者ヴェルディンの「第二王妃」として辱めを受ける日々。それでも彼女の瞳の奥には、亡国への誇りと復讐の火が消えることなく燃え続けていた。
そんな境遇から生まれ落ちた息子、アスカ・ルクレティア・モントカイン。帝国の血を受け継ぎながらも、彼の魂には滅びた母の祖国の悲しみと意地が潜んでいた。青年へと成長し、冷徹な軍人として皇帝の名のもとに剣を振るうアスカ。その一振りには母リュドミラへの贖罪、そしてノルドロンド奪還の執念が秘められていた。『征服者の息子』に託された亡国の誇りは、果たして帝国を崩壊へ導く刃となるのか。――壮大な復讐の物語が、いま動き出す。