あらすじ
ある日、作家・久保あきらにメールが届いた。
君野二葉からの執筆依頼。そこには、あなたは断れないはずだと綴られていた――。
聾唖の女子高生・君野二葉はビルとビルとの間をジャンプしようとする。そして、それを手伝う同じ女子校に通う青山ルカと、それを本にする久保あきら。それぞれの思惑が交差する中、二葉は午前7時の青空へと飛び立っていった。
ある同じ女子校に通う5人の生徒が、約2ケ月の間に続けて飛び降りた。記者の間では、初めに自殺した聾唖のカリスマ女子高生・君野二葉の後追い自殺ではないかと話題となっている。ただ、新米記者の溝口水晶は、そこに明らかな違和感を持っていた。
そんな中、葉山デスクから3人目の自殺者は7年前に起こった「烏丸少将連続誘拐殺人事件」で、約1ケ月余り誘拐監禁された女児(当時12歳)であることを知らされる。
事件は、未曾有の天災や、どうしようもない不可避な悪意に起因するような「やり場のない怒り」とか、「諦めに似た種類のもの」に近い感情を孕みながらも、手巻き時計の中のような精密さである方向へと進んでいく。
そして、全ての鍵を握るとされる
「まーちゃん、ふーちゃん」
デートクラブ「沈黙する子猫たち」の目的とは?
主任司祭が隠さなければならなかったこととは?
占い師・空想たけるが口にした言葉の意味とは?
知っているけど誰も見たことがない、まるで風のような事件、その真相とは――。