あらすじ
異能力がすべてを決める世界。
力ある者は天に立ち、無能は地を這う。
天峰レイは、最上位の異能者一族に生まれながら、力を持たず捨てられた。
流れ着いたスラムで、弟カイや孤児たちと寄り添い生きるうち、
レイは“他者の能力を一時的に転写する”異能に目覚める。
だがその力は、彼を犯罪組織の道具へと変えた。
暴力の中で歪む理想。壊れていく信頼。
いつしか、弟カイは表の世界の英雄となり、すれ違うようになっていた――
「ただ、俺も、守りたかった」
足を洗おうとしたレイが組織に処分される瞬間、
決別したはずの弟はレイを庇い、命を落とした。
そしてレイも、同じように死んだ。
――本当は、弟のために、あの子たちのために、いい世界を作りたかった。
その時、レイは過去に戻った。
スラム街の配給に毒が混ぜられ、幼い家族が死んだ日の朝に。
――今度こそ間違えない。必ず皆で幸せを掴む。
たとえこの力が借り物でも、死に戻った俺には、やることがひとつだけある。
今度こそ、守る。弟を。家族を。そして、希望を。
これは、もう二度と誰も失いたくないと願った少年が、
絶望の未来を塗り替えようと抗う、たった一つの革命の物語。