あらすじ
西暦2999年、地球は“青い星”ではなくなっていた。
超重力兵器〈ネメシス〉の暴走、第四次AI戦争、そして“次元崩壊”と呼ばれる未解明の事象により、かつての文明は瓦礫と霧の中に沈んだ。人類の90%は姿を消し、生き残った者たちは空に浮かぶ〈群星都市(コロニア)〉で暮らしていた。だが、それは希望ではなく、延命措置にすぎなかった。
地表には“精霊構造体”と呼ばれる未知のエネルギーがあふれていた。科学も魔法も通じず、接触すれば意識を飲まれるこの謎の粒子に、人類は“魔(ま)”と名をつけて忌み嫌った。
そんな絶望の時代に、一人の少女がいた。
名はルナ=フィアレイン。
年齢17、群星都市《ソラリア》で暮らす学生。成績は平凡、容姿も普通、身長も低め――と、自称しているが、誰もそれを信じていなかった。
なぜなら彼女は、かつて“魔を祓う光”と呼ばれた伝説の兵装《アストラルコア》の唯一の適合者だったからだ。
だが、ルナは決して“特別扱い”されることを望まなかった。むしろ彼女の口癖はこうだ。
「世界が終わりそう? 上等だよ。なら、私が始めればいいじゃん! ……新しい世界をさ!」
不敵で、無鉄砲で、やたら明るい。そしてどこまでも前向き。
だが彼女には、誰にも言えない秘密があった。
――それは、10年前の夜、彼女の心に“声”が宿ったこと。
そしてその声が、未来に絶望する彼女にこう囁いたのだ。
「君は“未来を作る者(オリジネーター)”になる」
以来、ルナの周囲で時間が歪み、空間が逆転し、死者が夢から戻るような現象が起きはじめた。
そのすべては、やがて宇宙の運命を賭けた“選択”に繋がっていく――。