あらすじ
世界において、最強と呼び声高い傭兵団が居た。
主となる任務は、国家の諍いにおける情報収集や要人の暗殺。
どの国にも属さず、金額次第でどのような依頼も確実に遂行する
ただの一度の失敗も己らに許しをしないその傭兵集団の名は、『烏合』。
彼等は後ろ楯も持たず、己達の実力のみで国々から畏怖される程の地位を確立した。
しかしてその日、彼等は驚異と見なされた。
大国と呼ばれる三国を含めた連合討伐隊の発足を皮切りに、世界へ散らばっていた『烏合の民』は次々に粛清される。
そうして幾ばくの月日も待たずして、最強と呼ばれた彼等は力の全てを失う事となった。
討伐隊は本拠地である隠れ里を見つけ、ついぞ包囲する。
今日を越える事もなく『烏合』が完全に消滅するだろう事が明白となったその日、族長は『烏合』でも選りすぐりの四人を自身の元へ呼びつける。
それは、「解散」を告げる為。
そして何より、『烏合』において最強の名を持つ少年に、本当は言うはずのなかった言葉を伝える為に。
これは、復讐の物語ではない。
ましてや、英雄譚でも武勇伝でもない。
世界を知らない少年が、世界を知っていく話。
普通に生きる事の難しさを、誰かを救う事の尊さを、正義を貫く事の残酷さを、善悪を見極める事の愚かさを、その一つ一つを、稚拙ながらも学んでいく物語だ。