あらすじ
今日も海辺の駐車場で、誰もいない助手席に目を向ける。
かつて愛した同僚・水野香子の、夕焼けの中で逆光に霞んだ「うしろ姿」、忘れられぬ記憶。
叶わぬ想いを抱きながら、彼女と過ごした静かな日々、雨上がりのドライブ、そして一度きりのキス。
なぜ自分はこんなにも彼女に惹かれたのか。
どおしてその“背中”を見送るしかできなかったのか──
彼女が残した「自分だけが覚えている」という独白が、彼女の残した香りとともに、男の心に深く刻まれる。
ただ“恋”という言葉だけでは語りきれない、
狂おしいほど誰かに“惹かれた”理由がもし———
何度も何度も繰した過去の、約束の記憶だったとしたら。