あらすじ
かつてヒトと獣人は対立関係にあった。圧倒的な身体能力と武力を誇る獣人に、ヒトは滅ぼされたかに見えた。けれど生き残った僅かな人間達は、戦いを避けて身を潜め、そして密かに技術力を高めていった。
────拳銃。
それは人間にとって新たな改革をもたらした。獣人に支配されていた世界は、やがて人間も堂々と胸を張って歩ける世界へと変化した。
世界最速の脚力を誇る獣人でも、出せるスピードは時速130km。しかし人間が生み出したこの拳銃は時速約2000km。十倍以上の速さがあったのだ。いかに瞬発力の優れた獣人とて、己の十倍以上の速さで動く鉛玉を避けることは不可能である。
圧倒的な技術力を前に、獣人は次第に数を減らしていった。それまで世界にいた獣人達は約134億人。それに対しヒトは約20億人であった。それが今では獣人が約67億人に減り、反対にヒトは約30億人に増えたのだ。
2年足らずで全獣人族の半分近くが殺され、様々な種族や群れが絶滅した。これにより獣人達は滅亡の危機を感じ、ヒトと共存していくことを決意した。獣人はヒトよりも立場が下のものとし、危害を加える獣人は厳しく処罰されることとなった。
世界は平和になった。
しかしその裏では獣人が冷遇され、以前とは反対に獣人がヒトに売買されるという酷な現状が事実としてそこにあるのだ。