あらすじ
地方都市出身の堂宮龍亜は閉塞した東京での社会人生活に疲弊しながら日々を過ごしていた。
同僚の美弥子の勧めで、多摩北西部にある美鱒町の「ほたる祭り」に参加することになった堂宮は同地で可憐な女子大生、二敷怜奈と出会う。怜奈は生来の霊媒体質であり、堂宮は怜奈によって、他界した祖母 美名子と美鱒渓谷の水難事故で亡くなった北澤建志の魂と邂逅する。
美鱒町の謎に興味を抱いた堂宮は、やがて美鱒町の神事を司る怜奈の父、晴彦と彼が主催する「黒柱会」の存在を知る。「黒柱会」は美鱒町の民間伝承に伝わるカミサマ「黒い御柱様」を崇拝し、その謎を追及する祭儀集団だという。
更に堂宮は、「神秘蔵 アヌビス」というサイトを運営する秘教哲学研究家、通称「庭園の錬金術師」との接触を図り、晴彦と「黒柱会」の情報を収集しようとする。アヌビスは複数の異能力者からなるサイキック集団であり、堂宮は彼らとの接触により、怜奈と美鱒町に忍び寄る災厄を予言される。
アヌビスの中核メンバー真壁慎之介、青い髪の美女 ジェディ、魔女 茜らとともに美鱒町に乗り込む堂宮。一方、警視庁捜査一課の滝田も別件で美鱒町を訪れていた。滝田は、3年前から多摩北西地域の山間部で発生していた女性だけを狙った連続殺人事件の重要参考人「茶色の男」を追いかけて同地に辿り着いていた。アヌビスが追う災厄の主、謎の悪霊と連続殺人事件の犯人との関連性とは?
アヌビスの3人と堂宮は、連続殺人事件の被害者にして、怜奈の無二の親友だったみゆきの魂を救済すべく青梅と美鱒町の境界近くにあるキャンプ場へと向かう。堂宮は、そこで錯乱した死者の霊を弔うアヌビスのエクソシズムに直面する。
連続殺人事件の犯人の素性を暴いた真壁は殺人犯を追い詰めるべく罠を仕掛ける。更に堂宮と真壁たちはおぞましい悪霊との死闘を繰り広げるため「黒柱会」の聖地、彼岸沼を目指す。悪霊に憑依された怜奈、悪霊に戦いを挑むアヌビスの猛者たち。美鱒町の巫女、怜奈の運命は? 物語は最後に美しい美鱒渓谷での弔いによって終結する。