あらすじ
「大きくなったら、陽のお嫁さんになる」
幼い頃、片井都《かたいみやこ》の隣に住んでいた一條陽《いちじょうはる》は、他の同い年の男の子たちとはまるで違っていた。姿も振る舞いも王子様然として凛々しく綺麗で、誰よりも優しい陽が都は大好きだった。けれどある日、家庭の事情で陽が遠くへ引っ越すことになり、都は泣きながら「大きくなったら、陽のお嫁さんになる」と宣言して二人は結婚の約束を交わした。それ以来、地味に文通を続けながら未だに幼い頃の初恋を大事に大事に温め続けてきた都だったが、中学に上がるタイミングで、送られてきた写真の陽が美少年ではなくすっかり美少女として成長していたことに衝撃を受ける。初恋が儚く散ったショックに打ちのめされながらも、高校生になった陽からで会いたいと連絡があり、二人は十年ぶりに再会を果たす。互いの成長を喜び、離れていた時が嘘のように距離を縮める二人だったが、当時から変わらず咲き誇る隣家の茉莉花とそれにまつわる記憶によって、残酷な真実の扉が開いてしまう……。