あらすじ
戦国開闢の英雄・北条早雲死して二年ー。
東国は再び戦雲に見舞われる。
駿河の今川氏親の家臣・福島正成が率いる軍勢が、大挙として、甲斐へ乱入。
甲斐国守・武田信虎は、それを迎え撃ち、激戦のうちに、これを撃退、あわや今川軍壊滅のとき、一人の天才武将が覚醒し、見事に全軍をとりまとめ、滞陣遅軍の計略を持って撤退戦に成功させる。
その天才武将の名は、北条長綱ー。
自らは風流の道に生きようと一介の神職で世を終えようとした長綱は、このときから、自らが望まないのにもかかわらず、小田原北条氏の柱石たる北条幻庵への道を歩むことになる。
その長綱が敗残兵とともに戻った駿河では、敗戦責任をめぐっての権力闘争が勃発!
その抗争の最中、仏法和平の世を招来せんとする理想に燃える青年僧承菊に出会い、ともに戦乱を終焉させる次世代育成を誓い合う。
後に寿佳尼となるべき氏親の正室から託された福島家の遺児は、小田原に引き取られて後、綱成と改め、戦国関東を疾駆することになる。
今川を撃退した信虎は、関東の旧権威古河公方と手を組み、小田原に圧力を加える。
同盟国駿河の敗戦ショックの巻き添えを食った小田原北条氏は、家督を継承したばかりの当主・氏綱により大胆な積極策をとる。
それは、名将・太田道灌が築城した江戸城の攻略ー。
重臣一同の誰もが反対する中、その総大将に長綱を指名する。
やがて、時代は、その素質を疑われ、軍功を立てていく義兄弟・綱成に劣等感を持ちながらも友情を育んでいく氏康、そして、その息子で、後に駿河へ人質に行き、少年時代の徳川家康と友情を育む氏規、北武蔵で民政に心砕く氏邦へと進んでいき、後北条氏の理念である「民の持ちたる国」は、小牧・長久手の合戦で天下創成を遂げた家康によって寛永の繁栄として結実する。
信長以前の「神話」の時期とされる16世紀前半の関東は、中世社会が崩壊し、戦乱が相次ぐアフターハルマゲドン的世界であった。
この麻のごとく乱れた関東に新秩序をもたらすべく北条幻庵とその弟子たちは、関東の戦場を駆け巡る。
「何もしない領主」から「何事かする領主」へー。
英雄・北条氏康の降臨をもって、戦国関東に新秩序が確立される過程を、歴史上有名な川越城夜戦をクライマックスに描く一大戦国ドラマ。
※前半 北条長綱篇 2023年4月完結!!
後半 北条氏規篇 2024年初頭から連載再開予定!!