あらすじ
穏やかな日常を送る宝条家。35歳の行雄、34歳の奈津子、そして6歳の美咲の三人家族。ある休日、弟の和也と一緒にプールのレジャー施設へ出かける。
休憩中、奈津子が髪をまとめようとする何気ない仕草を目にした行雄。その動作に、強い既視感を覚える。
それは6年前、実家で偶然目撃した光景と重なっていた。和也の部屋にいた女性の後ろ姿。同じ髪をまとめる仕草、同じ首の傾け方。まるで二重露光のように重なり合う二つの像。
偶然の一致なのか、それとも——。行雄の頭の中で、妻と弟にまつわる危険な妄想が膨らんでいく。表面上の平穏な家族の時間と、心の奥底で渦巻く疑念が交錯する、ある夏の日の物語。
(注意)本作は露骨な官能表現が含まれています。女性向けに読めるよう配慮していますが、苦手な方は第3章の妄想部分を飛ばしていただくか、ご遠慮ください。