あらすじ

十七歳の「私」は、梅雨の図書館で友人の田中に「背中になにか見える」と言われ、不思議さを感じる。その後も別の友人・美紀や担任、母など複数の人が「私」の背後に私に似た立体的な影や人影を見たと語るが、「私」自身には見えず、不安と謎に包まれる。  祖母の死や心の変化を振り返るうち、「私」は自分の背に亡き祖母が寄り添い見守ってくれていたことに気づき、やがて家族とともに祖母とお別れの墓参りをする。  その後しばらくして再び「私」の背後に今度は自分自身のコピーが現れる。これは自分が選ばなかった道や可能性としての「もう一人の私」であり、他者を通じてのみその存在を知りうる不可視の自分だと悟る。  友人たちにも各々の背中に見えない存在がいると感じ、誰もが“見えない何か”を背負い生きていること、そしてそれがあるからこそ前を向いて歩き成長できるのだと、静かに受け入れるようになっていく。

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エブリスタ
エブリスタ2025/07/23
  • 現在の作品背中に映る存在論