あらすじ
たった3分で、あなたの世界を拭きました
朝の光がまだ眠る
誰もいない社長室で
私はモップを握りしめ
あなたの世界にそっと入る
机の上の書類の山
指先で触れたグラフの傾き
「ここ、違う気がする」
誰に届くこともない つぶやき
コーヒーの香りがひらき
ガラス越しの街が目を覚ます
その瞬間、あなたは立ち止まり
私の声に、耳を傾けた
たった3分の朝の中で
拭いたのは ホコリだけじゃない
滲んでいた論理、曇った判断
そして、孤独という名の汚れだった
わたしは掃除の人です
だけど、それ以上でもあります
誰かの机に残る疲れ
未来を描くための余白を つくる者です
あなたは言った
「君が磨いたのは、僕の世界だ」と
いいえ
あなたの世界に 風を通しただけです
明日もまた、わたしは来ます
モップとノートPCと 小さな勇気を背負って
たった3分で
誰かの世界を、光らせに来ます