あらすじ
神獣族――古来大地に降り立った、神獣の霊気を受け継いだ人間たちが暮らす世界。
彼らは種族ごとに国を造り、異種族同士の交流は全くと言っていいほど行われていなかった。
「紅悠。お主、そろそろ結婚せぬか。」
狐族の王家に生まれた少女・紅悠(こはる)は、一族に伝わる伝承の真偽を確かめるため、祖父である皇帝に勝手に結婚を決められてしまう。
しかも相手は、異種族である龍族王家の青年・律(リツ)。
種族を超えた婚姻は前例のないことで、結婚には三か月の”試用期間”が設けられた。
突然始まったお試しの結婚生活だったが、一緒に暮らしてみると、最初こそ不愛想だった律が、実は国や村のために懸命に働く、誠実な青年であると分かる。
そんな律を献身的に支える紅悠の優しさに、律も安らぎを感じるようになっていく。
しかし龍族の王宮では、紅悠が『落ちこぼれだったために国を追い出された』という、心無い噂が広まっていた。
そのため試用期間の終了を前に、律の周りの王族たちはこの婚姻を取り消そうと動き出す。
さらに、律が治める村には、領地略奪を狙う王族たちの影が、忍び寄っていた。
異郷の小さな村で過ごす、平凡だけど穏やかで幸せな日々を、守ることは出来るのか。
種族を超えた二人の恋の行方は、果たして――